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2026.01.14
【地域発】「未来の大人」が動き出す 明正小学校4年生とSDGsの約束

2026年1月13日、世田谷区立明正小学校の4年生を対象に、「世界をもっと良くするための『約束』〜MDGsからSDGsへ、そして未来へ〜」と題した特別授業が行われた。
この授業は、砧中学校公認地域サークル「Kinuta-Seed」の代表を務める大橋武久氏によって実施されたもので、ふだんの授業とは少しちがう“地域とつながる学びの時間”となった。

授業の前半では、これまで「みんながよりよく生きられる社会」を世界がどのように目指してきたのか、その歴史をたどるところからスタートした。
2000年から2015年まで取り組まれてきた国際目標MDGs(ミレニアム開発目標)と、その流れを継ぐかたちでつくられた現在のSDGs(持続可能な開発目標)の違いを、スライドや身近な例を用いながら分かりやすく紹介した。
キーワードとして何度も出てきたのが、「誰一人取り残さない」という言葉だった。
SDGsでは、今を生きる人だけでなく、まだ生まれていない未来の子どもたちまで含めて考えることが大切にされていることが伝えられると、子どもたちからは「私たちは未来の大人なんだ」という声が上がり、教室の空気が少し変わった。
自分たちの下の世代、さらにその先の世代まで想像しながら、「未来の子どもたちにどんな地球を渡したいか」を真剣に考える姿が見られた。
「いまこの地球に生きている当事者」として、地域や世界の課題を自分たちのこととして考え始めるきっかけになったようだ。
「遠い国のむずかしい問題」だったはずのテーマが、「明正小学校に通う自分たちにも関わっていることかもしれない」と感じられるように、身近な例と結びつけながら話が進められた。

授業の後半では、砧中学校の生徒会とともに続けてきた具体的な取り組みが紹介された。
靴のリユースに取り組む「Re:Soleプロジェクト」では、まだ履けるのに捨てられてしまう靴を集め、必要としている海外や国内の地域へ届ける活動が行われている。
一足一足に「これを履く誰かの笑顔につながる」というメッセージを込めながら、サイズ分けや状態チェックなど、地道な作業を中学生と地域の大人たちが一緒に進めていることが紹介された。
また、非常食を子ども食堂につなぐ「食の架け橋プロジェクト」では、災害用に備蓄されている非常食の“入れ替え時期”に着目し、まだ食べられる食品を地域の子ども食堂へ届ける仕組みづくりに取り組んでいる。
「もし捨てられてしまうなら、それを必要としている子どもたちのもとへ届けたい」という思いから始まったこのプロジェクトは、フードロスの削減にもつながるとあって、子どもたちも真剣な表情で説明を聞いていた。
こうした話を聞くうちに、“世界の問題”だったはずのテーマが、“自分たちの地域でできる行動”としてイメージできた瞬間があった。
「そんなことしてるんだ」「自分たちもやってみたい」という声が、教室のあちこちから自然と上がり、メモを取る手が止まらない子の姿も見られた。
さらに、地域の保護者による集まり「砧中学校公認地域サークルKinuta-Seed」と、4月からスタート予定の子どもたちのサークル「Kinuta-Seed Jr.」の構想も共有された。
Kinuta-Seedは、砧中学校を中心に、保護者や地域の大人たちが子どもたちの挑戦を応援するために立ち上げた公認地域サークルで、これまでにもSDGsや国際交流をテーマにした企画を積み重ねてきている。
子どもたちからは既に、「ごみの分別」「買い物でエコバッグを使う」「できるだけ自転車で移動する」「コンビニのお釣りを募金する」といった日常のアクションが挙がっていた。
そこに加えて、「靴のリユース」や「非常食の寄贈」といった、地域とつながる実践にも参加できると知ると、「それなら自分にもできそう」「家族にも話してみたい」といった前向きな反応が多く見られ、目を輝かせる姿が印象的だったという。
今後、まずは明正小学校4年生全員で取り組める活動として、靴のリユースや非常食の寄贈ができないか、学校と一緒に相談を進めていく予定だ。
リユースの現場では、輸送費などのコストや、サイズ・状態の仕分けといった“現実的な課題”も避けて通れない。だからこそ、子どもたちが実際の活動に関わりながら、「社会課題」と「お金」や「仕組み」の関係も学んでいく学びの場として期待されている。

さらに、砧中学校で進む学校運営協議会と砧中学校公認地域サークルKinuta-Seedの連携モデルも参考にしながら、明正小学校においても、地域と連携しながら「国際交流×SDGs教育」を進めていく方針だ。
地域が子どもたちの“やってみたい!”を支えながら、「国際交流×SDGs教育」を進めることによって、多世代が共に取り組む長期的な地域創生プロジェクトとしても位置づけられつつある。
砧中学校公認地域サークルKinuta-Seedの活動は、一般社団法人ココロtoカラダProjectなどの支援団体のサポートも受けながら、「子どもたちが地域と世界をつなぐ担い手になっていく」ことを目指して少しずつ広がっている。
今回の出前授業は、その流れの中で「明正小学校4年生から始まる、新しい地域の一歩」として、大きな意味を持つ時間となった。
今後、活動が本格化するにあたり、地域の大人たちのさらなる参加も呼びかけられている。
授業で心を動かされた「未来の大人」たちの一歩を、地域全体でどう支えていけるか。明正小学校・砧中学校・砧中学校公認地域サークルKinuta-Seedを軸にしたこの取り組みに、今後も注目が集まりそうだ。
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