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2026.02.27
絵でつながる国境を越えた交わり――子どもが輝く未来づくりデザインコンクール“0”

2026年2月23日、コクヨ東京品川オフィスTHE CAMPUSで開催された「教育AIサミット実例大全 2026 in THE CAMPUS」の会場で、「子どもが輝く未来づくりデザインコンクール“0(ゼロ)”」表彰セレモニーが行われました。サミット全体のキーワードである「交わり」を象徴するこの企画は、国境や言語、世代やテクノロジーの違いを超えて、子どもたちのクリエイティビティが出会い、響き合う場として位置づけられています。
本コンクールの原点は、2025年3月27日に行われた世田谷区立砧中学校とスリランカの中学生との国際文化交流にあります。初めて出会う異なる文化や言葉に触れながら、互いを理解しようとする中学生たちの姿が、このプロジェクトの出発点となりました。そこで着目されたのが「絵」という表現です。言語の違いを越えて、色や形、構図によって心の内側を伝え合うことのできる絵は、まさに“交わり”を生み出す共通のキャンバスとして機能しました。
技術ではなく“想い”を評価するデザインコンクールの審査と表彰

コンクールのテーマは「平和な未来への想い」と「愛」。この二つのテーマのもと、日本とスリランカの6歳から15歳の子どもたちから、多彩な作品が寄せられました。日常の風景の中にあるささやかな幸せを描いた作品、戦争のない世界を願う強いメッセージを込めた作品、家族や友だち、動物や自然への愛情をのびのびと表現した作品など、その一枚一枚には、子どもたちなりの「平和」と「愛」のかたちが宿っていました。
集まった作品は、2025年12月5日から9日にかけて、世田谷区立砧中学校の学芸発表会にて一般公開されました。来場者による投票に加え、後援団体の代表者や有識者による審査が行われ、「最優秀賞1名」「優秀作品賞4名」「国際特別作品賞1名」が選出されました。 評価の軸となったのは、単に技術的な巧みさだけではありません。テーマに対する解釈、表現の独自性、見る人の心を動かす力など、子どもたちの“想い”そのものが重視されました。
そして迎えた、教育AIサミット会場での表彰セレモニー。当日は、多くの教育関係者や企業の担当者、来場者が見守る中、入賞者一人ひとりの名前が読み上げられ、ステージ上で賞状が手渡されました。 作品紹介の場面では、スクリーンに映し出された絵を前に、子どもたちがどのような気持ちで描いたのか、どんな未来を思い浮かべていたのかが語られ、会場にいる大人たちは、そのまっすぐなまなざしに静かに耳を傾けていました。
一人ひとりの個性が咲く――最優秀作品に込められた願い

なかでも大きな注目を集めたのが、最優秀作品賞を受賞した砧中学校3年生・谷口夏鈴さんの作品と、その受賞コメントです。谷口さんはステージ上でマイクを手に取り、「素敵な賞をいただきありがとうございます。私はカラフルで大小さまざまな花を描きました。世界の人々を花と例え、人種や個性の違いはあってもお互いを認め合うことで美しい景色が生まれると思います。この絵はそんな願いを込めて描きました。本日はありがとうございました。」と、落ち着いた声で語りました。その言葉は、シンプルでありながら、会場にいる一人ひとりの胸に深く届くものでした。
谷口さんの作品に描かれた花々は、色も形も大きさも異なります。しかし、その違いこそが、キャンバス全体の調和と豊かさを生み出していました。多様な個性を認め合い、その違いを尊重することで、社会全体がより美しく、豊かな景色をつくり出せるのではないか――彼女の作品は、そのようなメッセージをやさしく、しかし力強く伝えているようでした。
国境も分野も越えて広がる「交わり」のプラットフォーム
今回のコンクールは、「教育AIサミット実例大全 2026 in THE CAMPUS」の一プログラムとして位置づけられていることからもわかるように、単なる絵画コンテストにとどまりません。AIやデジタル技術が急速に進化する時代において、人間の創造性や共感力をどう育んでいくのかという問いへの、一つの具体的な答えを提示する試みでもあります。
セレモニーの最後には、AIUEOとのコラボレーションによるAIを活用したコンテンツが披露されました。 子どもたちの作品がデジタル上で再構成され、モーションや音楽とともに新たな表現として立ち上がる様子は、アナログな「絵」と最先端のテクノロジーが出会う瞬間そのものでした。鑑賞者は、AIが子どもたちの描いたモチーフや色彩を読み取り、別の形で表現していくプロセスを通じて、「人とAIの協働」がもたらす新しい創造の可能性を体感しました。
こうした流れの中で、「交わり」というキーワードは、国や言語の違いを超えることにとどまらず、世代、分野、さらには人間とテクノロジーのあいだにまで広がっています。スリランカと日本の子どもたちが、互いの顔を知らなくても、作品を通じてつながり合うこと。教育現場と企業、地域と海外、アナログとデジタルが、それぞれの強みを活かしながら「子どもが輝く未来」を共につくろうとすること。今回のデザインコンクール“0”は、そうした多層的な「交わり」の縮図ともいえる取り組みでした。
“0”から始まる、子どもたちの未来への一歩

“0(ゼロ)”という名称には、「ここから始まる」という意味も込められています。今回のプロジェクトで生まれたつながりや学びが、参加した子どもたちだけでなく、それを見守る大人たちにとっても、新たな一歩となることが期待されています。絵というシンプルな表現を通じて、世界のどこかで同じように未来を思い描く誰かとつながる経験は、子どもたちの心に確かな記憶として刻まれ、やがては平和で持続可能な社会を支える原動力となるでしょう。
国境を越えて、世代を越えて、そしてテクノロジーの境界さえも越えていく「交わり」の輪。その中心には、カラフルな花々のように、多様で唯一無二の子どもたちの感性が静かに、しかし力強く咲き誇っています。
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